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No.1
九月二十六日（月）❀
続
“日曜日の終わりだから。それが終わって、寝て起きったら日曜日になるからだよ。”
如何にも深刻そうに話す朱美をよそに、俺は“へえー”と気のない返事を続けた。
“もう、ぜんっぜん興味ないじゃん。”
“いや、そんなことはないけど……”
朱美の言う通り、あまり興味を持てる話題ではなさそうだと思った。
この時はまだ、社会のことを何も知らなかった。
自分のことを社交的だと思っていたし、社会的に出てもなんとなくうまくやっていける自信があった。
酒を酌み交わし、他愛もない話をするような友人なら数多くいたし、人間関係に深刻な不安を抱いたこともない。
鬱なんて、自分とは無縁の世界だとおもったていた。
朱美は、興味を示さない俺に、一生懸命話続けた。
“ちゃんと聞いてよ、あのアメフト部のエースの橘先輩がだよ？ほら、大学最後の試合でもタッチダウン決めてさー。超カッコよかったね！”
